日本刀の数え方|振り?本?

日本刀の数え方を聞かれた時、正確に答えられる方は何人いるでしょうか。「本」や「振」というよく知られる数え方以外にも、日本刀の数え方は読み方の違いも含めると、数10種類にも及びます。これは日本語の「数の数え方」が大きく関わっていて、その一つ一つに意味があるのです。以下で詳しく解説していきますね!

 

 

基本的な数え方

日本刀の基本的な数え方は、「本(ほん)」または「振(ふり)」になります。「本」は、細い棒状のものを数える時に使用することが多く、日本刀以外でも、様々な棒状の物を数える時にも使われます。

 

一方、「振」は「刀を振る」という動作に由来している為、刀剣全般に使用できる数え方です。

 

日本刀の他の数え方

 
  • 刀(とう)
  • 剣(けん)
  • 腰(こし)
  • 口(こう,くち)

 

時代の変遷とともに

数え方が多岐にわたる理由は、時代毎の日本刀に対する価値観の変化が影響しています。

 

日本刀の長い歴史は古墳時代から始まり、当初は神事の際の祭具として使用されていましたが、時代の変化により用途や価値観だけでなく、数え方にまでその変化が及びました。

 

奈良時代では「切り口をつける」という行為から「1口(ひとくち)、2口(ふたくち)」という数え方が主流となり、続く平安時代は刀を腰に下げていることが多かったことから「1腰(ひとこし)」とも呼ばれたそうです。

 

鎌倉時代以降は作刀技術が少しずつ進化したことにより、現在使用されている「1振(ひとふり)」が定着したと考えられています。

 

形状による数え方の違い

日本刀の形状によっても、数え方は異なります。これは日本語の奥深さを表していると言っても過言ではありません。

 

中でも、先にご紹介した「ヒ」は主に短刀に使用される数え方で、「太刀と同価値の存在」という意味があります。

 

元々の「ヒ」という数え方が、「亡き父と同等に尊ばれる存在=亡き母」を指しており、それが「〜と同価値の存在」という意味合いに変化したといわれています。

 

まとめ

日本刀の数え方は、ある意味で日本刀の歴史そのものです。数え方を知る事でその時代の用途や価値観を学ぶことが出来ます。

 

また、これほど様々な数え方があるのも、日本刀が日本人の歴史の中で長く大切にされてきた証です。

 

この先も新たな数え方が産まれることを楽しみにしながら、末永くともに歩んでいきましょう。