日本刀の樋(ひ)の意味・役割とは

樋(ひ)とは、鎬地と峰の間に両面それぞれ1〜2本掘られる細長い溝のことです。この溝の意味合いとしてはいくつかありますのでご紹介します。

 

樋の役割

1.軽量化
樋の主な意味合いは刀身の軽量化が目的です。

 

軽量化の為に刀身を削ると、剛性を失ってしまうように思いますが、樋を掘ることで刀身全体が圧力や曲げに強いH型鉄骨と似たような性質を持つので、結果的に削る前の剛性はそのまま維持されます。

 

2.血流し・傷隠し
また樋は俗に「血流し」とも呼ばれ、切ったときに付着した血を溝を伝って流す役割も果たしています。その他刀身に出来た傷を隠す為に掘られることもありました。

 

樋の欠点

ちなみに刀を振ると「ピュッ」と風を切る音が聞こえるかと思いますが、これは樋の存在によるところが大きいです。

 

その為夜間の戦いなどではこの音を嫌い、樋がある刀は使われなかったとも言われています。

 

動画

日本刀の樋を彫るのは装剣金工師の仕事です。装剣金工師の仕事紹介動画がYoutubeにアップされていたのでご紹介します。