刀身を包む覆い「鞘(さや)」。刀身の保護、携帯時に自分や周囲を傷付けないよう安全性を確保する役割があります。
日本刀の場合、日本刀特有の刀身の反り具合や長さ、身幅に合わせた専用の鞘が必要
以下の画像のように日本刀の鞘に付いている紐の名前は「下緒(さげお)」と呼びます。
下緒は最初は刀を腰に結びつけて携行するためのものでしたが、腰帯に差して携行する打刀が流行すると鞘を腰帯に結びつける為に用いられるようになりました。
下緒を腰帯に結びつけることで、刀を抜いた時に鞘が抜け落ちない。不意に刀を奪われるのを防止する。といったメリットが生まれ、下緒のついた鞘が一般化しました。
ただのちに、拵えとして「返角(かえりつの)」と呼ばれるフックが実装されるようになり、留具としての下緒の役割はとって変わられるようになり、その代わり
などの目的に利用されるようになりました。
下緒の材質には主に絹や皮が使われています。また身分が低い足軽の刀の場合は、安価な植物性のものが使われているものも多いです。