第二次世界大戦後における日本刀の立ち位置

太平洋戦争終結後、GHQは日本の武装解除の一貫として、重火器のみならず日本刀含む刀剣類も兵器の一つとみなし回収を始めます。

 

回収を恐れ、地中に隠してボロクズにしてしまったり、回収基準に満たぬよう小刀や鎌に改造したことで、多くの日本刀が形無しになりました。

 

 

刀の返還と赤羽刀

回収された何十万本という日本刀はアメリカ軍が保管し、占領解除後(1952年-)に日本政府に返還されました。

 

この刀は愛好家の間では「赤羽刀」と呼称されています。刀の保管場所が当時、東京都北区赤羽にあったアメリカ軍の倉庫だったことからです。

 

 

銃刀法の制定

1958年銃刀法が制定されたことで、(包丁を除く)刃渡り5.5cm以上の刃物の所有は禁止されました。

 

この定義にならえば約60〜73cmの日本刀はアウトなのですが、登録制により合法的な所有・売買が認められています。

 

登録さえ行えば、日本刀はあくまで武道用の道具、美術品として扱われ、法律違反の刃物とはみなされないのです。

 

逆にいえば登録を怠れば、銃刀法にひっかかる刃物として扱われ、しょっぴかれてしまいます。古い蔵から全く知らない日本刀が出てきたとしても必ず登録が必要です。

 

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現代における日本刀

戦争に日本刀が駆り出される時代は完全に終焉を迎え、歴史を刻む重要文化財として、美しい刃文、刃姿などを鑑賞する美術品として、居合術など武道における道具として、日本社会に定着するようになりました。

 

刀鍛冶の需要

現在300人程度が芸術家として活躍しているみたいですが、前述した通り兵器としての需要は皆無になったので、一部の著名な刀鍛冶を除き、作刀一本で生活していくことは困難になっています。

 

刀鍛冶なんて何となく粋で憧れてしまう職業ですが、残念ながらあまり現実的な選択肢ではないようです。

 

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