日本刀の作り方4:仕上げ

STEP3で焼き入れまで済んだら、後は最後の仕上げの工程です。この工程を終えたら刀工の仕事はひとまず終了で、拵えの制作は鞘師や金工師といった専門の職人が引き継ぐことになります。

 

日本刀制作STEP4の流れ

鍛冶押し(かじおし)

刀の出来映え(全体の形や肉付きなど)を確かめながら、反り具合、細かな傷などを修正していきます。

 

茎仕立て

柄(つか)に差し込む茎(なかご)を、銑ややすりを使って形を整え、柄にはめる為の目釘穴も空けます。この後滑り止め目的に鑢目(やすりめ)を加えますが、ここには刀工の個性が出ます。

 

樋掻き・下地研(したじとぎ)

日本刀は鎬地に樋(ひ)と呼ばれる細長い溝を掘る場合もありますが、樋をいれる物はここで入れます。またその後地金と刃文を砥石で研ぎます。

 

銘切り

鏨(たがね)を使い、刀工自らの名前、住まい、製作年月日などを茎の表側(身につけた時外側になる方)に掘ることです。刀工の仕事はここまでで終了です。

 

仕上げ

銘切りまで終わったら、あとは他の職人に仕事が引き継がれます。研師、鞘師、塗師、蒔絵師、柄巻師、金工師、白銀師などで仕上げを分業し、ようやく一振りの刀が完成します。それぞれの専門家の作業内容は以下の通りです。

 

刀身完成後の各職人の仕事

研師刀身全体に研ぎを施し、地鉄、刃文などがより美しくなるよう仕上げます。
鞘師刀の反りや長さにあった専用の鞘を作成します。
塗師:鞘を丈夫に仕上げる為の漆を作り、塗り固めます。
金工師・蒔絵師:鞘や鍔などに装飾を施します。
白銀師: はばきや鍔(つば)などの金具部分を作成します。
柄巻師:柄部分を補強し、握った感触をよくする紐を巻きます。