日本刀は堅牢性と斬れ味を併せ持つ必要があります。全く刃が立たなかったりすぐに折れたり曲がったりしてしまっては困りますよね。その為、刀身の材質となる鋼の製法・選定は非常に重視されます。
刀身の材質
古刀とは日本刀誕生の平安時代中期から室町時代までに作られた日本刀のことです。
(日本刀の歴史も参照)しかし古刀の製造方法については史料がほぼ残っておらず詳しくわかっていません。
現代に伝わる日本刀の製法は、江戸時代以降の新刀制作の記録に基づくものであり、もし今古刀を作れと言われても誰もその方法を知らないのです。
古刀の製造法がロストテクノロジーとなったのは、古刀にどんな鉄を使用したのかわからなくなってしまった為です。
古刀期には輸入品や地方の鉄鉱石など原材料の鉄は変化に富んでおり、地肌に地方色がよくでていましたが、
江戸期に入ると鎖国で輸入鉄がなくなり、国産の鉄ばかりが使われるようになったことで、古刀に使われる鉄の種類やら混合比率やら焼き入れの温度やらのの情報伝達が完全に途絶えてしまったのです。
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Youtube奈良チャンネルより12世紀中頃から後半(平安時代)の古刀が見つかったというニュース動画です。現在の鳥取県にあたる伯耆国(ほうきのくに)で作られた古伯耆(こほうき)物と呼ばれる最古級の日本刀で、その中でも最も古い安綱作である可能性があるということです。