妖刀は実在したのか:村正伝説は偶然?

妖刀とは、妖しい不思議な力を持っていたり、所有者に不幸をもたらすなど、いわくつきの刀剣を指す場合に使う呼称です。

 

妖刀の存在はフィクション作品ではお馴染みですが、あくまで想像上の産物であり、実在を示す史料の発見や科学的な証明はされていません。

 

村正妖刀伝説について

ただ刀の所有者や関係した者が、偶然立て続けに不幸に見舞われたりすることで、そういった刀が妖刀として語り継がれる場合もあります。

 

村正(むらまさ)」などはその典型として有名ですね。村正とは伊勢の地で活躍した刀工村正が作刀した日本刀の名で、

 

  • 徳川家康の祖父清康と父広忠が共に村正の刀で暗殺される。
  • 家康の嫡男信康が謀反で死罪となった際の介錯に村正の刀が使われる。

 

…など徳川家を呪う妖刀として忌避されたのです。

 

ただこれは伊勢などの不幸の地でたまたま村正の流通量が多かっただけで、呪いなどではなく全くの偶然だと考えられています。

 

↑Youtubeに投稿されている村正の紹介動画。わかりやすいです。

 

他にも血を求めて鳴くとか、独りでに動き出すだとか、妖刀にまつわる伝説は色々ありますが、大抵が上述したような偶然か、作り話に基づくものなので、やはり本当の意味での妖刀というのは中々確認できませんね…。