時代区分に基づく日本刀の種類

時代区分に基づく日本刀の種類

日本刀は時代のニーズに適応し、様々な形に変化してきました。以下は日本刀の一般的な時代区分の種類です。

 

 

上古刀

古刀が出来る以前(古墳時代〜奈良時代)の刀剣をさし、通常これは日本刀に分類しません。中国大陸から伝播した直刀が一般的で、一部を除き日本刀特有の反りが見られません。

 

古刀

平安後期から江戸時代の直前(慶長)、ざっくり16世紀以前の日本刀をさします。日本刀の特徴である反りが見られます。17世紀以降の新刀に対応する名称です。

 

末古刀

室町時代末期の戦国時代頃の刀を「古刀の末期」という意味で「末古刀」と呼び、区別する場合もあります。戦乱が勃発したことで量産された「数打ち」と呼ばれる粗製の刀が多いです。

 

新古境(しんこさかい)

古刀から新刀へ移る過渡期(安土桃山時代〜江戸初期頃)をこのように呼び区別することがあります。「新刀でありながら古刀の特徴を持つ」のが特徴といえます。元号が慶長から元和に移る時期でもあるので、頭文字をとって慶元新刀とも呼ばれます。

 

新刀

慶長以降(17世紀以降)の刀のことです。世が安定し、インフラが整ったことで、均質な鋼が全国に出回るようになります。新刀の地鉄はその影響で非常に綺麗になっているのです。(逆にいえば地鉄そのものに地方の特色が出なくなりました。)

 

新々刀

幕末、日本刀が盛況を極めた鎌倉時代・南北朝時代の刀剣への復古が叫ばれた時代に作刀された刀です。幕末刀、復古刀とも呼びます。

 

現代刀

一般的に明治9年(1876年)の廃刀令以降に作られた日本刀をさします。

 

昭和刀(軍刀)

主に軍刀として制作された刀をさします。実践兵器としての有用性は薄れ、軍装の一部、権威の象徴として用いられました。

 

赤羽刀

戦後、武装解除の一環でGHQにより接収され、その後返還された大量の日本刀のことです。